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「見切り発車」修行場。二次創作、オリジナルに関わらずジャンル混合短文置き場。                                         版権元とは一切関係ありません。
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 1年前にメモ同然に書いていた話を試しにUP。

 ちょっとした挑戦を。
 炎の英雄と4主人公の話。出会い編。





 太陽暦415年。
 ――ハルモニアの神殿内に侵入した「炎の運び手」は保管されていた真の水の紋章を強奪し持ち去る。

 後の歴史書に端的に示されるその事実。
 しかしその裏側には、歴史の影に隠れることを願った者の姿があった。



 神殿の奥深く、隠し扉の奥の隠し扉を潜ってたどり着いた場所は暗く淀んだ空気がした。
 炎の英雄と呼ばれる青年はそこに足を踏み入れることに躊躇しない。後ろに控えるゲドは少しだけ眉をひそめ、ワイアットは盛大に眉をひそめていた。
「本当にこんなところに?」
「今更そんなことを」
「そう、とにかく進むんだ。無かったら引き返せばいいさ」
「簡単に言うなよ」
「そうするしかないのも事実だが」
「まあ、とりあえず急ごう」
 数歩先も見えぬ闇の中、どこか気の抜けた会話を交わす。
 彼らの会話が途切れたのは、静かな闇に動きが見えた瞬間だった。
「――誰か、いる」
 はじめにすっと構えを変えたのは先頭の炎の英雄。同じ闇の中、しかし空気は瞬間に凍りつく。
 動きは、ない。
 しかし微かにする人の気配、人の吐息、その鼓動。闇が隠しても、隠せないものはいくらでも存在する。
 硬直することしばし。
 闇の中に目が慣れ、ようやく周囲の輪郭が見えるようになってきた。
 そうして現れた景色、それは連なって立ち並ぶ檻。そしてその中にころり、と転がっている人の影。
 ――まさか。と。
 炎の英雄は右手の紋章に力をこめる。ぶわり、と右手の甲を基点に赤い炎がゆれる。揺らぎとともに影ができる。基点となる彼、後ろのゲドとワイアット、そして檻の影がすっと彼らの前に立ち、その奥の影を作り出した。
 冷たい石の牢に横たわっていたのは薄い茶色の髪を持つ青年、いや少年と言ってもいい年頃だろう。赤色のバンダナがぱっと目を引く。静かに目を閉じ、石床に身をゆだねている。
 彼の明かりに反応したのか、檻の中の少年はゆっくりと目を開いた。じっと3人を見つめる。
「眩しい、な」
 ぽつり、呟いた。
 3人は少年の姿を認めてもまだ反応に遅れてしまう。それとは逆に少年はというとゆっくりと身を起こし、石壁に背を預けて3人に向き直った。
「あっちに」
 気だるげに右手をすっと伸ばして闇の奥を指差す。
「真なる水の紋章は、この奥」
 何を言われたのか一瞬理解できなかった。
「・・・お前は何者だ」
 すっと前に立ったのはゲド。厳しい表情のまま、構えは解かず。
「私は」
 口を開く。しかしその先は続かない。
「・・・どうしてこんなところに?」
 沈黙に耐えかねて口を挟んだのはワイアット。警戒こそ解いているが、しかしその構えに隙は無い。
 その言葉に少年はふっと視線を彷徨わせた。
「見ての通り、としか」
 左手を右手で軽く押さえて、困ったように薄く微笑む。






―――
 実は3は途中で投げ出した(集団戦闘で・・・)ので、漫画しか読んでない。
 ・・・いきなり4主人公捕まったりしてますが・・・。
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