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「見切り発車」修行場。二次創作、オリジナルに関わらずジャンル混合短文置き場。                                         版権元とは一切関係ありません。
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 ペルソナ3フェス発売発表記念妄想(何
 ベルベットルームにて。




 すなわち、これは後夜祭にも等しいのでございます。



 あの方の物語は一つの終わりを迎えられた。それがかつてのお客人自身の意思によって選び取り、紡がれたもの。

 あの方が立ち向かったのはニュクス、それは死そのもの。かつて貴女方が生きる星に『死』を与え、人はそれに抗う力を生み出した。誰もが抱える死への恐怖、集合的無意識の奥底に根を張り鎮座する存在。
 貴女方は、人が原初より宿している死という運命に対面なさったのです。

 あの方が最後に辿り着かれた力はユニバース、それは人の生の力を体現するもの。それは貴女方の星に生きるものに等しく存在する人の生きる力、人の生きる意志の顕現。
 あの方が紡いだ絆の力は、あの方にその意味と力を知らしめたのです。

 そして何より、あの方は長年宿したものの感覚によって死の本質を知っていた。

 全ての条件が揃い、大いなる封印の力は生み出されたのです。

 集合的無意識を支配する『死』という絶対存在に、あの方は人の『生』の力によって中和した・・・世界中の『死』を、あの方は一人で引き受けられたのです。
 その運命により集合的無意識の中の死を解することができる唯一の存在であり、その絆によって多くの人の生きる力を知っているあの方だからこそ。

 ・・・かつてのお客人は、集合的無意識の中に全てを投げ入れた。集合的無意識を侵食する死を、あの方自身を以って――生の力を以ってして浄化したともいえましょう。

 そして、全てをゆだねたあの方は・・・その狭間にたゆたい続けている。



 部屋の主人がすっと手を伸ばした。虚空から現れ出でたのはくすんだ青色の表紙をしたサインボード。机の上に静かに開かれる。
「ワタクシがあの方に対してすることはもう何一つない。あの方との契約による物語はすでに終わりを迎えております」
 開かれたサインボードの中には、彼の署名がある。
「しかし」
 次の瞬間、署名は立ち消えた。
「あの方の物語を超えようという方がいらっしゃるのであれば――ワタクシはその助力を惜しみません。
 貴女にはこの部屋の助けが必要となるでしょう」


 主人と対面している機械の乙女は、静かにその時を待っていた。

「あの人を、取り戻すことができるんですね」






―――――
 後日談が封印のために帰ってこられなくなった
主人公を取り戻しに行く物語だったら本当に燃えるなあって思った願望の集大成。
 ニュクスと封印の解釈は短文じゃ表しづらい。まあこれも一つの解釈ってことで。

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