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「見切り発車」修行場。二次創作、オリジナルに関わらずジャンル混合短文置き場。                                         版権元とは一切関係ありません。
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 ラプソディアにてヨーンと4主人公。

 4主人公:シエル




「ヨーンは不思議な目をしているね」

 焚き火の灯りが映りこむ黄金の瞳を、シエルは覗き込んだ。

「貴女のような目をしている人を、知っている気がするんだ」

 そして、黄金の瞳に映る自分の瞳を更に見つめる。

「懐かしいのに、怖くて、苦しい」

 そこにあるのは、幼い頃から求めても手に入らなかったあたたかさ?
 それとも、求めれば手に入るかもしれないのにそれをしてはならないという歯がゆさ?

「僕はね、ヨーン、母親というものを知らない」

 薄く笑顔を浮かべて語りだす。

「家族というものがあることすら知らなかった。だから、たとえ鞘に収まることが叶わないとしても、それがあるということを知れただけで嬉しかった」

 だから、と一息つく。
 そして躊躇いの時間が数瞬、しかし言葉ははっきりと告げる。

「ヨーン、もしも貴女が彼に黙ったまま彼の元を去ろうというのなら、僕は貴女のことを恨むだろう」

 ヨーンはその言葉を、黙って、聞いている。
 彼がヨーンの目を覗いているように、ヨーンも彼の目から目を逸らさない。
 彼女は、母親を知らない子どもの言葉を、自身の罪状を読み上げられるがように、黙って、聞いている。

「でも、ね」

 泣き笑いのような顔をして、シエルは呟いた。
 それでも視線は逸らさない。ヨーンの目から、そしてその中にある自分の目から、逸らせない、逸らしてはいけない。

「僕はヨーンを責めることはできないよ。僕に貴女を責める資格なんてない、よね」






―――
 母親の愛を知らない子どもと、愛を直接与えられない母親。
 弟であると言えないシエルと、母であると言えないヨーン。

 ヨーンと4主人公(よんよん)は本当に面白い組み合わせだと思います。
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