「見切り発車」修行場。二次創作、オリジナルに関わらずジャンル混合短文置き場。 版権元とは一切関係ありません。
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ソウルクレイドル裏ルート
シェマと喰世王
シェマと喰世王
今日は、何を教えてくれるの?
「シェマ」
音もなく背後に現れた気配。こっそりと姿を見せた割には、彼女に対してその気配を隠すつもりは微塵も無いらしい。単に驚かせたかっただけだろう、この人――いや、すでに人ではないだろうが――の行動には理解できない部分が多すぎる。
「何よ」
「今日は何してるの?」
「仕事結果(盗品)の選り分けだけど・・・何、また興味あんの?」
「うん、見せて」
そういうと、喰世王はシェマの机の横に自分で椅子を持ってきてちょこんと座った。邪魔にならない位置に肘をつき、楽しそうに眺めている。
「これ、見た目綺麗なのに」
「装飾は凝ってるけど雑な仕事だし、何よりこれ宝石がイミテーションね」
「値はつかない?」
「ついてもその辺の出店で売ってるレベルよ」
そう言ってシェマがその髪飾りを廃品の袋へと放り投げると、喰世王の目はそれを辿っていく。
「欲しいなら勝手に取っていって。もともとはアンタのだしね」
「ううん、いらない。動くのに邪魔だし」
「そう」
そうしてまた黙々と作業に戻る。喰世王もそれをまた見つめている。
「こんなの見てて楽しい訳?」
「うん」
「暇ね」
「知らなかったことを知るのは面白いよ」
――「ウワベのキレイゴト」と「そうでないもの」を知らなかった、あの頃と違って。
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