「見切り発車」修行場。二次創作、オリジナルに関わらずジャンル混合短文置き場。 版権元とは一切関係ありません。
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14日まで何とかバレンタインネタを持続させてみよう企画その1
「月光録」にて八雲と理緒。門の前で二人。
「月光録」にて八雲と理緒。門の前で二人。
『偶然最後に残っていた一番大きなチョコレート』を理緒が八雲に差し出したら、彼は差し出されたそれを見た瞬間に動きを止めた。
「・・・何よ」
「理緒さん」
「何よ」
「理緒さんもバレンタインには参加するんだね」
とりあえず一発。
「理緒さん『も』って何よ!」
「・・・痛い」
「当たり前でしょ。殴ったんだから」
「酷い」
「酷くない」
「うわ、言い切った」
頭をさすりながら八雲は悲しそうに目を伏せた。これがいけない。彼は感情表現が豊かな上に、それを操るのも得意だから。次の瞬間にはけろっと微笑んでいることもある。
思わず謝りそうになるところを、理緒はぐっと押さえた。
「理緒さん」
「まだ何か文句でもあるの?」
「ううん」
姿勢を正して、八雲は理緒に向き直った。
先ほどの表情から瞬間、ほころぶような笑顔を向けて。
「嬉しいです。ありがとう」
いつも皆と一緒にいるときの笑顔とは少し違う、どこかたどたどしい笑い方。
その笑顔は、理緒の顔を赤くさせるのには充分なもので。
彼女がそれを表情に出さないようにするのにはあまりにも苦労した。
・・・顔に出したら、また八雲にからかわれる。
「べ、別に、由紀や光に引っ張られたからついでに買ってきただけだからっ!ついでなんだからね。分かった!?」
「うん。わかってるよ?」
「ああもう、その顔は何よ。その顔はっ!」
「そんな力入れちゃ駄目潰れちゃう潰れちゃうっ!?」
理緒がその日渡す最後で最初のチョコレートは、少し包み紙が歪んでしまった。
―――――
八雲はいい性格してそうなイメージ。水いきなりぶっ掛ける子だし。
女の子の中では理緒と夕が特に好き・・・。
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