忍者ブログ
「見切り発車」修行場。二次創作、オリジナルに関わらずジャンル混合短文置き場。                                         版権元とは一切関係ありません。
[27]  [26]  [22]  [21]  [20]  [19]  [18]  [17]  [15]  [14]  [13
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 14日まで何とかバレンタインネタを持続させてみよう企画その3

 いきなり新ジャンル .hack
 ただし無印。G.U.は未プレイ。
 4部作終了後。バレンタイン・ディにザ・ワールドで男2人顔を突き合わせ。
 




「なあカイト、これって虚しいと思わねえ?」
「虚しいって、どうして?」

 強面の男性に顔をずずいと突き寄せられれば、普通ならば小柄な少年は思わず一歩押し下がってしまうだろう。
 しかし、少年はその顔を真正面から見つめてただ首を傾げるだけだ。
 何故なら、その強面の男は少年のクラスメイトであるのだから。

「そんなにチョコレートを貰ったのに、オルカは不満なの?」

 オルカと呼ばれたその男の手元には、所持数制限いっぱいまで埋まったチョコレートの山。
 ザ・ワールド内ではこういった食べ物には特別な意味などない。単なるイベント用データの中の一つであり、ある程度の回復を望めるだけである。

「俺がこれだけチョコを貰っても、これはあくまで『オルカ』に渡された物であってさ」

 ヤスヒコはどこかで自身が演じる『オルカ』に憧れている節がある、とカイトは思う。だから彼はこの世界にもう一人の自分を求めているのだ。

「ヤスヒコも結構チョコ貰っただろ?クラスの女の子に」
「あれはクラスの男子全員に配ってたじゃんか!」
「あ、うん。確かに僕も貰ったけど」
「お前、それ以外に収穫あったか?」
「うーん、ミストラルにアップルパイ貰った」
「・・・は?」

 思わぬ発言に、オルカはキャラクターの操作も忘れて素っ頓狂な声をあげた。

「1週間くらい前にリアルで会ったんだ。美鈴ちゃん抱かせてもらって、一緒にご馳走になった。『ちょっと早いけどバレンタインのプレゼントだよ』って」
「じゃあさ、ブラックローズは?」
「へ?」

 今度はカイトが目を丸くした。

「彼女と仲いいんだろ?」
「え、うん、そうだね。でもここ最近ブラックローズってインしてないみたいなんだ」
「いや・・・そっちじゃなくてだな」

 オルカはがくりと大きくうなだれる。どこか鈍い友人にため息をついて、もう一人の鈍くてやけにもてる友人に思いを馳せた。

「・・・バルムンクはこっちでもリアルでもいっぱい貰ってそうだよなー」
「確かに(笑)」






「今年もこんなにか・・・」

 その頃のバルムンク。
 所持限界ぎりぎりまで詰まったチョコレートを見て思わずため息をついていた。
 キーボードの横には鞄から溢れたチョコレートの包みが山となっている。

「どう処理すればいいか困るんだが・・・・・・、」

 小さくくしゃみを一つ。






―――――
 カイトもきっとチョコいっぱい貰ってる(苦笑
 そして、ブラックローズからリアルでチョコレートが郵送されてくるといい。

PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[01/08 相川浩信]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ぐり
HP:
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
最古記事
アクセス解析
忍者ブログ [PR]

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.