[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
いきなり新ジャンル .hack
ただし無印。G.U.は未プレイ。
4部作終了後。バレンタイン・ディにザ・ワールドで男2人顔を突き合わせ。
「なあカイト、これって虚しいと思わねえ?」
「虚しいって、どうして?」
強面の男性に顔をずずいと突き寄せられれば、普通ならば小柄な少年は思わず一歩押し下がってしまうだろう。
しかし、少年はその顔を真正面から見つめてただ首を傾げるだけだ。
何故なら、その強面の男は少年のクラスメイトであるのだから。
「そんなにチョコレートを貰ったのに、オルカは不満なの?」
オルカと呼ばれたその男の手元には、所持数制限いっぱいまで埋まったチョコレートの山。
ザ・ワールド内ではこういった食べ物には特別な意味などない。単なるイベント用データの中の一つであり、ある程度の回復を望めるだけである。
「俺がこれだけチョコを貰っても、これはあくまで『オルカ』に渡された物であってさ」
ヤスヒコはどこかで自身が演じる『オルカ』に憧れている節がある、とカイトは思う。だから彼はこの世界にもう一人の自分を求めているのだ。
「ヤスヒコも結構チョコ貰っただろ?クラスの女の子に」
「あれはクラスの男子全員に配ってたじゃんか!」
「あ、うん。確かに僕も貰ったけど」
「お前、それ以外に収穫あったか?」
「うーん、ミストラルにアップルパイ貰った」
「・・・は?」
思わぬ発言に、オルカはキャラクターの操作も忘れて素っ頓狂な声をあげた。
「1週間くらい前にリアルで会ったんだ。美鈴ちゃん抱かせてもらって、一緒にご馳走になった。『ちょっと早いけどバレンタインのプレゼントだよ』って」
「じゃあさ、ブラックローズは?」
「へ?」
今度はカイトが目を丸くした。
「彼女と仲いいんだろ?」
「え、うん、そうだね。でもここ最近ブラックローズってインしてないみたいなんだ」
「いや・・・そっちじゃなくてだな」
オルカはがくりと大きくうなだれる。どこか鈍い友人にため息をついて、もう一人の鈍くてやけにもてる友人に思いを馳せた。
「・・・バルムンクはこっちでもリアルでもいっぱい貰ってそうだよなー」
「確かに(笑)」
「今年もこんなにか・・・」
その頃のバルムンク。
所持限界ぎりぎりまで詰まったチョコレートを見て思わずため息をついていた。
キーボードの横には鞄から溢れたチョコレートの包みが山となっている。
「どう処理すればいいか困るんだが・・・・・・、」
小さくくしゃみを一つ。
―――――
カイトもきっとチョコいっぱい貰ってる(苦笑
そして、ブラックローズからリアルでチョコレートが郵送されてくるといい。